学生時代、縁あって、科学的根拠に基づいた歯周病治療を日本に根付かせた第一人者の先生に出会うことができました。
大学卒業後も、歯科医院に勤務する傍ら、その先生のところへ週1回通い基本治療や歯周病治療、その他、色々なことを学ばせていただききました。
その中で心に残っていることは「患者様との接し方」です。
その先生のオフィスへ通い始めたばかりの頃、患者様の歯をやむを得ず抜かなければならないことがありました。
そのとき私は、患者様に「この歯はもうだめだから抜いて、インプラントにでもしましょう」と、ストレートに伝えたことがあります。
その時に先生から、「残念だけど、この歯はこういう理由で抜かなければいけないんですよ」という一言を添えるだけで、患者様の印象は変わるし、患者様の心に寄り添うことができるものなんだよ、と諭されたことを今でも憶えています。
ドクターは、患者様の心に寄り添ってこそ、信頼してもらえると思います。
そして、ドクターと患者の間に信頼関係があれば、結果的にいい治療ができるものです。
「患者様に寄り添い、問題を修復すると共に患者様のこころを癒すこと」
これが私が学び、今でも大切にしている考え方です。
歯科治療には様々なものがありますが、治療において大切にしていることは「基礎を大切にすること」です。
特に、歯周病、そして根管治療の2つです。
専門的なお話になってしまいますので詳細は割愛させていただきますが、これらの治療は歯を長期間安定させるためには必要不可欠な治療です。
家造りをイメージしていただきたいのですが、土台がしっかりしていなければ、どんなに丁寧に上部構造を作ったとしても何かあった場合はすぐに崩れてしまいます。
歯の治療も同じです。
土台となる歯をしっかり補強する歯周病治療・根管治療をしっかりしなければ、どんなに時間とお金をかけて治療をしたとしてもすぐにダメになってしまいます。
当院の方針として「10年後も20年後も健康でいられる歯科治療」というものがありますが、これを達成させるためには基礎治療を疎かにすることはできません。
保険治療であっても、自費治療であっても全力を尽くします。
患者様には予定を調整してわざわざ当院に来ていただいています。
その方に対して、保険治療だからこの程度の治療でよいとされたら誰でも嫌ですよね。
私も嫌です。
中途半端な治療をすれば必ず自分に返ってきます。
しかし常に適切な治療を行っていれば、何か問題が生じた場合の対応策も迅速にとれますし、代替案もすぐに出てくるものです。
「保険治療であっても決して半端な治療はしない」ということは、患者様のためでもあり、そして自分のためでもあるのです。
どんな治療でも全力を尽くす。
これは歯科医師として、医療人として大切なことです。
「10年先、20年先でも患者様に感謝される治療」です。
これは医院全体が共有している考え方です。
もちろんこれは、10年~20年先まで持たせるといった短絡的なものでありません。
長期間に渡って患者様のお口の機能と健康を維持できる治療、ということです。
そのためには何が必要なのか。
1つは「チーム力」です。
当院には複数の歯科医師の他、優秀な歯科衛生士、歯科助手が在籍しています。
それぞれの役割、能力を発揮して初めて適切な医療をご提供することが出来ます。
ただ漠然と働くのではなく、医院が考える「歯科医療」を共有し、行動し、そして改善を繰り返す。
この姿勢が大切だと私は思います。
また、診査・診断をしっかり行い、その患者様がこれまで治療されてきたヒストリーを理解することも重要視しています。
ヒストリーを知ることで、その方に合った治療計画を適切に立てることができるようになり、「お口全体」のバランスを考慮した計画も立てることができるようになります。
口腔機能はすべて複雑に絡み合っているので全体のバランスを俯瞰した治療をしなければ根本的な解決にはなりません。
これをしないで問題のある部分だけを解決しようとすると、かなり高い確率で問題が生じることになります。
私が知っている情報は、「全て包み隠さずお伝えする」ことにしています。
考え得る全ての治療法を患者様にご提案した上で治療をお選びいただく診療は、今や多くの医院でも行われています。
しかし、「担当医ができる治療の中から患者様は一つを選択している」という例は往々にしてあり得ます。
私はそのようなご提案はしておりません。
「私ができる治療の範囲はここまでです。私はできないけれども、他にこういう治療もありますよ」と、私が知っている治療法を全て患者様にお伝えしています。
もし患者様が私にできない治療を望まれるのであれば、行える歯科医院をお探ししてご紹介することもできます。
それが本当の意味で患者様のためになると思うのです。
お口の中の病気は、痛みなどの自覚症状が伴わずに進行していくことが多々あります。
この事実を皆様にはしっかりご理解いただきたいです。
「気づいた時はもう手遅れ」。
そんな状況を招かないためにも、定期的な歯科医院でのチェックとケアを強くお勧めいたします。
「感謝」。
この言葉しか思いつきません。これには2つの側面があります。
1つ目は感謝「している」。
今の自分があるのは歯科技工という仕事に出会えたからだと思っています。
この仕事を通じて、本当に様々なことを学びました。
特に、今は何事も継続し続けることが人生においてのこだわりになっているのですが、これもこの仕事を通じて後天的に身についたことなんです。
どんな仕事でも同じですが、「真剣に向き合い続けた先に成功は存在」します。
「継続は力なり」ですね(笑)。
2つ目は感謝「される」。
一つひとつ真面目に向き合うことで評価されていく。
「よかったよ」と言われる時がうれしいですね。
そういった成功体験を積み上げていくことで自信につながり、どんどんこの仕事が好きになっていきました。
私たちがこだわって作ったものが、そのまま患者様の笑顔・健康につながる。
こんなにやりがいのある仕事はありません。
本当にこの仕事選んでよかったと心から思っています。
「歯型模型の取り扱い」、「作業工程」、「手作業」。
この3点に関しては非常にこだわりを持っており、他にはない強みだと思っています。
まず、「歯型模型の取り扱い」には、非常に神経を使っています。
医院で採取した歯型に石膏を流し込み、それをもとに模型を作っていくので、その時点でわずかでもずれがあると、最終的にうまくお口にはまらないということが起こりえます。
患者様も大変な思いをして歯型を採っているわけですから、こちらがないがしろにしてしまったら、すべてが水の泡となってしまう。
それだけは避けなければなりません。
そのため、私は医院から送られてきたものが不十分だった場合は再度作り直してもらうようにしています。
それだけこだわらなくてはいけない部分なのです。
次に、「作業工程」。
今は分業が主流なんですが、それでは本当の意味でこだわりをもって作ることはできないと考えます。
確かに効率よく短時間で作製できるのですが、担当する人間によってどうしてもスキルの差が生まれてしまう。
そのムラをなくすためには、すべての工程を最初から最後まで熟練の「プロ」が担当する必要があります。
私は常に先々の工程を見据え、一つひとつの工程にこだわりを持って作り上げていきます。
その分、時間はかかってしまうのですが、時間と精度を天秤にかけることはしていません。
最後に、「手作業」。
一般的には機械で作業をしていくのですが、どうしても機械では表現できない細かい部分が存在します。
歯には細かいキズ・凹凸がありますし、着色もありますので、この部分はどうしても機械では表現できません。
形をパッと作って終わりではないんです。
実際に口に入れた時にどうなるのか。
細部まで表現しないとすぐに技工物だとわかってしまいますからね。
歯1本を単体として考えるのではなく、周りの歯を含めて全体的に考えて作りこんでいく。時間はとられてしまうのですが、私は可能な限り手作業で行うようにしています。
そこまでこだわってこそ、本当の意味での「仕事」だと思うのです。
「一生懸命」。
この言葉が好きなんです。
日々、時間が許す限り一生懸命作る。
その積み重ねこそが大切だと思っておりますので、妥協は一切しません。
患者様一人ひとり求めていることは異なりますので、それぞれの想いを歯科医師と協力して、しっかりと汲み取り、形にしていく。
自分が満足できるものを作ってもそれはあくまで自己満足。
当たり前ですが、実際に使用するのは患者様です。
自分の作りたいもののために時間を費やすのではなく、患者様にいかに満足してもらえるかを日々追求し、一生懸命作り上げていく。それこそが「オーダーメイド」の本質だと思います。
あなたの「求めているもの」を体現いたします。
是非一度、当院にご相談ください。
当院では、患者様が抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
※ Mailでのご相談は、こちらからお願いします。